*OLと勇者とその仲間たち(仮)3
*OLと勇者とその仲間たち(仮) 3*
~魔法使いからの試練~
所要時間約8分
ケイ…OL。社畜。廃人ゲーマー。
日頃の鬱憤でゲームをするのが日課。
シャルエット…魔法使い。みんなのお姉さん的存在。とても頼りになる存在だが実は勇者によってただのドMなお姉さんになる。
リーチュン…格闘家。食いしん坊。戦闘バカ。武者修行でもっと強い奴に会いたいと勇者の旅に同行。勇者ご一行のムードメーカー。買い食いのしすぎでよくシャルに雷を落とされる。
コッペン…賢者。優しいがみんなによくいじられる不憫な子で突っ込み役。半ば強引に勇者に同行させられる。最近やっと魔法を覚えたが、勇者たちの方が実力が上のため強く言えないでいる。
※ケイMはケイの心の声です
↓こちらは上演時にお使いください。
*OLと勇者とその仲間たち(仮) 2*~現実は違った~
作:速見誠人
ケイ:
シャルエット:
リーチュン:
コッペン:
https://seito910.theblog.me/posts/38317217
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リー:たっだいまー!ねぇみんな見てみて!ほらこんなに肉まん買ってきたよー。
えへへーもっとあったんだけど食べちゃったごめんね☆
コッペン:ぜぇぜぇ…た、ただいま戻りました…疲れた…。
リー:コッペンてさほんと体力ないよなー。僕みたいに体力つけよぉー。だからヒョロヒョロしてるんだよ!(バシッ)
コッペン:っいったあーーーーー!?もう叩かないでくださいよ馬鹿力!!というか走りすぎなんですよ!もう追いつくので精一杯だったんですから(ぜぇぜぇ)
大体リーチュンがすぐ突っ走るから僕がこんな状態に…(ぶつぶつ)
シャル:あらふたりともお帰りなさい。もう勇者様だったらあんたたちが遅くて寝ちゃったわよ。フランはいつもの所ね。どこ行ってたわけ?
リー:あシャル!ただいま!見てみて!ほら!こんなに肉まん買ってきたのー!
シャル:あらあら、こんなに買ってきたの?じゃあみんな呼んできて食べようか。
リー:うん!食べよ食べよー!じゃあ呼んでくる…
シャル:待ちなさいリー、あなた残りのお金は?
リー:え?お金?
シャル:そうよ、あんなに大金持ってってないはずがないでしょ?
ほら出しなさい。
リー:え……えっとぉそれはコッペンに預けてるよ!コッペンに聞いて!
コッペン:はぁ?何言ってるんですか?それはリーチュンが「食べたい物はっけーん!」って奪い取って全部持っていったじゃないですか。
リーチュンに聞いてくださいよぉ。
シャル:……リー、貴方また無駄遣いしたわね。
リー:ひぇっ!!待ってシャル、これには深いワケが…
シャル:毎度毎度貴方という人は…いい加減に学ばないのかしらねぇ。
リー:あ、あの……ごめんなさい!許してよーーーーー
シャル:問答無用よ!唸れ雷!彼の者に天罰を!ライトニング!!
リー:ぎゃああああああああ!!(黒焦げ)
シャル:あぁもう勇者様になんて言えばいいのかしら。またあのモンスター倒して稼がなきゃじゃない。
ケイ:……あの大丈夫かなあの子
シャル:…あぁいいのよ、気にしないで。いつものことだから。
ケイ:は、はぁそうなんですね。じゃあいいかな。
コッペン:そうですよ。ほんと毎度の事なので気にしないでくださ…ん?んんんん!?あ、あ、貴方だれですか!!
シャル:あぁそうだったわ。貴方達が帰ってくるのを待ってたのよ。彼女の説明をしたいから。とりあえずちゃちゃっと紹介するわね。
彼女はケイ。まぁなんというか勇者様が拾ってきた子よ。
ケイ:あ、はい。拾われてきた子です。よろしくお願いします。
コッペン:へ?拾ってきた??それはどういう事です?
シャル:あたしもよくわかってないわ。ただ勇者様が連れて帰ってきたって事は今後の旅には必要な娘って事だと思うけどね。みんなに紹介したがってたみたいだし。
コッペン:結構曖昧ですね。大丈夫なんですか?
シャル:あの勇者様の事だもの。何か考えがあっての事でしょ。それにそうね。
万が一裏切りとかあったらその時だもの…。
ケイ:ははは…
ケイ…うわぁめっちゃ敵視されてるこわい。てか流石魔法使いだわ。ゲームのまんま。迫力ありすぎ。
シャル:貴方何ができるの?魔法とか使えるの?
ケイ:え?いや…
シャル:どう考えても冒険向きじゃないわねその格好といい、体力もあるとは思えない。
ケイ:そうですね…運動は苦手だったのでオール2でアヒルだったし…走るの嫌いですし。
シャル:オール2?アヒル?何の事かわからないけど、ステータスのことかしら。
コッペン:気になってたんですけど、ケイさんのその格好って戦い向きでもなさそうですよね。
ケイ:あ、ジャージですか?まぁ運動しやすい恰好ではあるけど戦いは向いてないかもです…
シャル:じゃーじ?初めて聞くわね。まぁ防具としては皆無ね、生地が薄すぎ。
そんなんじゃ一発で貫かれるわよ。何にせよ、情報が少なすぎるわね。
ケイ:あ、あの…私実はこの世界の住人じゃないんです。
コッペン:え?ケイさんがこの世界の住人じゃないってどういうことですか?
ケイM:とは言っても説明しづらい。ゲームしててテレビから声が聞こえて、でここにゲームの中に召喚されたなんてわかってもらえないしなぁ。うまい言い方は…
ケイ:…私は貴方達とは違う世界の人間で、なぜかわからないけど声が聞こえて呼び出されたんです。
シャル:声?
ケイ:はい。たぶんその声、勇者のヴェスターさんの声だったと思うんですけど…
「なんなら入ってみる?」とか「確かめてみなよ」的な事をいってた気がします。
シャル:勇者様がそんなことを…ふ~ん
コッペン:まぁヴェスターならやりかねないですね。
僕だって平和に生きてたのに急に連れ出されてこんな旅に付き合わされて…だいたい連れ出された当初は僕の方がレベル上だったのに、今じゃあっちがレベルMAXでこき使われる毎日で…(ぶつぶつ)
ケイM:すまんコッペン!でも君すごく使いにくかったんだ!まぁ最初は回復系として使ってたけど勇者が魔法全部覚えちゃったからもう用済みになっちゃんだよ!こうして聞くとけっこうひどい奴よね私。
シャル:まぁ貴方のここまでの経緯はわかったわ。
それなら今後の旅に役立つかどうか私からテストしてあげる。
ケイ:え?テスト?
シャル:冒険といえば試練、つまりダンジョンでしょ?うふふ、いいこと思いついたわ。
ケイ:え、待ってください!!それってどういうことですか?
シャル:今言ったら面白くないじゃない。さあて勇者様に相談しにいかなきゃ♪
ケイ:だから待ってください!そんな勝手に…
リーチュン:やめときな~何言ったって無駄だよ~シャルはすぐ有言実行タイプだから。
ケイ:え?いつの間に!?てか雷打たれたのに大丈夫なんですか?
リーチュン:うん大丈夫だよ!慣れてるから平気!
ケイ:あ、そうですか…つよいですね。
リーチュン:でしょ!へへん身体だけは昔から丈夫なんだよね!あとね~力もあるよ!
見てて~とーりゃ!えいっ!!(コッペンを掴んで投げる)
コッペン:なんで投げられるんですかぁぁああああああああ(きらりーん★)
シャル:もう、リー!ちゃんと後でコッペン拾ってくるのよ?
それじゃあケイ楽しみにしておきなさいね(クスッ)
勇者様ぁん!肉まん持ってきましたぁ~それとお話があるんです~。
ケイM:これは碌な事が起こらない予感しかしない。テストって一体何なの?
ひとりでダンジョンに行かされるということなのか…不安を抱えながら私は肉まんをほおばった。
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