妄想愚痴愚痴恋愛論

妄想愚痴愚痴恋愛論  

所要時間 約20分

男女逆転アリ。

※精神的に辛い方は刺さります。ご注意を…

最後のセリフはどちらが言うかは任せます。


↓こちらは上演時にお使いください。

妄想愚痴愚痴恋愛論

作:速見誠人


男:

女:

https://seito910.theblog.me/posts/38317104

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女M:どうしていつも上手くいかないんだろ。

こんなこと言いたいんじゃないのに、もっと楽しく話をしていたいのになんでこんなに話せないんだろう。



女:あぁ~つまんない。つまんない~!

男:あのね、人がこうして通話してるのにそういう事言う?

女:だってさぁ、ずっとゲームしてるじゃん。

もう通話している意味がないっていうかさ…

男:だったらもう通話やめる?楽しくないんでしょ?

女:…いいよ、切ったら?

男:ふーんいいんだ。本当にいいの?

女:いいよ別に。

男:そ、じゃあね(切る)

女:あ……またやっちゃった。

いつもこうだ…ほんとは切りたくなかったのに私のバカ。



女M:ネットで知り合った彼とはけっこう付き合いが長い。

知り合った頃はほんとに仲良くていつも話してたし、一緒にゲームもしてた。

今は昔みたいな会話もできない。まぁそうなってしまったのも自分のせいだけど。

それでもほとんど毎日通話とかなんとなくしていた。



女:う~…(スマホを取り出してLINEを打ち込む)

「さっきはごめん。やっぱり通話しちゃダメかな?」

はぁ…どうせ返ってこないよね。

え?返ってきた!?はや!「いいよ」か。

(通話をかける)

男:おかえり。

女:なにそれ。そっちから切ったじゃん。

男:お前はかけてくると思っていたよ。

女:はぁ?なんでそうなるのよ。

男:結局さみしいとか声が聴きたーいとかで謝ってくるんじゃないかってね。

女:っ!そんなことないし。

男:ふーんそう。じゃあ切っちゃおうかなぁ。だって声聴きたいわけじゃないんでしょ。

女:うっ……わかった!そうですよ!声が聴きたかったんです。悪いか!

男:そうそう。そうやって素直になるのが一番ですよー。

女:う、うるさい!…こっちの事なんてどうでもいいくせにこういう時ばっかりそういう事言わないでよね。

男:こういう男なんです。俺は。

女:知ってます。えぇ知ってますとも!

男:はいはいそうやってすぐムキになる。可愛くないぞ。

女:可愛くないし。わかってるもん。

男:あらら。

女:女の子ぽくないしさ、服装も。性格も。

だから彼氏なんてできないしさ~、まぁ今はいらないけど。

男:俺もいらないかなぁ、めんどくさいし。当分はいいかなぁ。

女:そう、なんだ…まぁほんとめんどくさいよねっ。わかるわぁ。

男:て、何傷ついた声してんの?

女:え…してないし。

男:してました。

女:だから違うって。

男:あそう。まぁいいけどね。

女:…じゃああんたさ、私と話しててめんどくないの?

男:ん?

女:いやほら、さっきも怒っちゃったし。私ってめんどくさい?

男:お前は面白い。

女:…は?

男:ほんとは構ってほしくて仕方ないくせに、変に強がってさ、勝手に傷ついて。そんで結局連絡してきて。

見てて飽きない。

女:あんたさ…私を動物か何かと思ってる?

男:そこまでは思ってないけど。

女:じゃあ、なんだと思ってんだよぉ!!

男:あはははははh

女:うーーーーっ笑うなぁ!!

男:考えすぎ

女:う…

男:ちゃんと言わなきゃわからないし、勝手に傷つくならその前に言ったら?

女:…はい、ごめんなさい。

男:一体どのくらい付き合いだと思ってんの。最近知り合ったとかの関係じゃないでしょ。遠慮し過ぎ。

女:だってさ…

男:もうお前で驚く事なんてほとんどないし。それに嫌だったらこうやってまた通話もしてないでしょ?

女:確かにそうだけどさ…迷惑じゃないの?

毎回こんなだし。楽しくないし。

男:あのねそれは今さらでしょ?それに楽しいだけでお前は通話してるわけ?

女:そんなことないよ。まぁ声聴きたいのは大前提だけど。

楽しいだけじゃないし、こうやって話すの好きだし

そ、それに…あんたじゃなきゃさぁ……うん…

男:…お前さ、他に通話するやついないの?

女:…いなくはないけど。なんかついてきてくれないの。

男:は?

女:いやゲームとか?趣味とか。話してもさ凄くコアな話できるわけじゃないし。

こう表面上しか話せないからつまらないんだもん。

男:あぁ俺はできると?

女:そうそう、それに安心するんだよね。気使わなくていいしさ。無言でも別に平気っていうか。まぁ後強いじゃん。今一緒にやってるゲーム。手伝ってくれるのも魅力だよね。

男:それはどうも。まぁ確かに気が楽なのはわかるかな。お前なら何言っても許してくれるかもってのもあるし。

それにめんどくないのはいいわ、うん。

女:え?それはなくない?さっきもさぁいきなり逆切れしちゃったし。

男:ん~違うんだよ。こう女の子の特有の感じ?無理にあわせようとしたりとか、会話盛り上げようとしたりとか。

見え見えで疲れる。

女:別にそれって女だけじゃないと思うけど。

男:まぁだとしてもめんどいじゃない。気使っちゃうしさ。変に声は高くなるし。

盛り上げなきゃ~とか思っちゃうじゃない。男としては頑張っちゃうわけで…

女:ん?ん?それってさぁ私は女性として見られてないわけ?

男:……ん?

女:いや、ん?じゃなくてさ。

男:チャントジョセイダトオモッテマスヨ。

女:なんでカタコトなんだよぉーーーーーー!!

男:あははははh

女:だから笑うなぁ!!

男:まぁまぁ。ほらゲームでもして落ち着いて。

女:うーー誤魔化されてるぅーー。

男:なに?やらんの?

女:……やる!

男:あはは、ちょろいね。

女:もういいから!やるよ!!

男:はいはい。

男:よし。じゃあ俺そろそろ寝るわ。おやすみ。

女:うん、おやすみ。あ!ちょっと待って。

男:ん?

女:またこうやって連絡していいんだよね?

男:いいんじゃない、したいときにすれば。出れるときは出るし。

女:おう、わかった。うん、ちょっと安心した。

男:なにまだ気にしてたの?

女:だって…それで無理やり付きあわせてたら嫌じゃん。

男:はぁ。俺だって相手は選びます。

女:う、うん。

男:また言わせる気?嫌ならそもそも電話してない。

女:そう、だよね。

男:これで本当に安心した?

女:…はい安心しました。

男:いきなり切れたり、凹んだり。ほんとお前は忙しいね。

女:ご、ごめんって。だって気になるんだもん。

男:気にしすぎると皺増えるよ?

女:ちょっとそういう事言う?

男:あははは。そんじゃさすがにもう寝るよ。

女:うん、ごめん付き合わせて。おやすみ。

男:おやすみー




男M:こいつとは中々に長い付き合い。ネットとはいえ、気軽に話せる奴だったりする。

以前こいつに告白され、全くその気はなかったので振っているにも関わらずそのままダラダラと関係は続いている。

こういうのは気楽でいい。恋愛なんて面倒なだけだ。

…また連絡が来た。寝る頃にいつも連絡が来る。今日はすぐ寝てくれるといいけど…

深い溜息を出すと共に俺は通話を取った。



女M:優しいのか、いじわるなのかわからない。

そして最悪な事に私はあいつに恋をしている。

一度振られてはいるけど、なんとか友達ではいる。もう一度告げる事はないけれど、ずっと友達ではいたかった。

だからギリギリの距離を保つ事だけを考えていた。




女:あ、なにあいつ。ツイートしてるじゃん。

男:「最近疲れた、絡むのもめんどくさい」

女:え…

男:「男女関係とかそういうのほんとめんどくさい」

女:まさかこれって…私の事?

男:「粘着とかやめたらいいのに」

女:うそでしょ?ほんとに私の事言ってるなら…

男:「彼女でもないのにほとんど毎日通話させられてる。別に俺は話すことないのにね」

女:これ絶対私の事じゃん!ばか!!


女M:最悪だった。あいつに嫌われていたんだ。

通話してきていいよって言ってたけどほんとは嫌だったんだ。

当分連絡しない。ツイッターも見ない。そう心に決めた。





男M:最近あいつから連絡がない。

なんかあったのかなとは思うが、まぁいつもの事だろう。

それにしてもこの子の通話はだるい。

ほんとめんどくさい。


男:あぁそうだね。それだったらその武器じゃない方がいいんじゃない?

男:え?手伝って?まぁいいけど。

男:ん~好きな曲?最近のはほとんど聞いてないからわかんないや。

男:てかほらやられてるよ。動いて動いて。

男:え?いやちゃんと聞いてるよ。そうだね。

男:なんか話して?と言われてもなぁ…


男M:やっぱり楽しくない。あいつとやってた方が気が楽だ。

あいつならなぁ動きについてきてくれるし、いちいち相槌しなくてもいいし。無言になっても楽だし……あれ?

何故かあいつの事ばかり出てくる自分に気づいた。最近話してないからなのだろうか。





女:もうマジなんなの!ああぁぁぁああああやっぱ無理ーーーークリアできない!


女M:一人でやったって楽しくない。

別に他の子を誘えばいいんだろうけど、なんかやっぱこのゲームはあいつとやりたいし。

でもどうせ嫌われているから我慢しないといけない。


女:ん?ライン?

男:「今暇?」

女:ちょ…なんで?

男:「少し話さない?」

女:え…なんで急に。ってうわ!!かかってきた…

(電話でる)…もしもし?

男:よ。

女:あ、あのさ!いきなりかけてくることないじゃん!

男:え、だって既読ついたし。ならいっかって。

女:出られない状況ならどうすんのさ!

男:まぁそんときはそんときで。

女:なにそれ。

男:こうやって出たんだしいいんじゃない。

女:あっそ。で、何か用?

男:あれ?なんか冷たくない?

女:え、普通じゃない?いつもこんな感じでしょ?

男:……ふ~ん。

女:な、なに。

男:いや別に~

女:なんだよもう。言いたい事あるならはっきり言いなさいよ。

男:ん~ほんと特にないけど。強いて言えば…最近連絡なかったなぁって事くらい。

女:結局あるじゃん。あぁね。まぁその。ちょっと仕事とか忙しかったんだよねぇ。

男:あ~ね。

女:うん、そうなの。

男:また仕事先で何かあったわけだ。

女:そうなんだよ!もうほんと頭くる事あってさ……あ、ごめん。

男:いいよ~いつもみたいに話したら?

女:いや、いいよ。ほんと大丈夫。

男:……やっぱおかしい。

女:え?

男:なんかよそよそしい。

女:そんなことないし…

男:なにお前、まだ前の事気にしてるの?

だったら話せばいいって言ったじゃない…

女:(被せるように)呟いてたから。

男:え?

女:ツイート。呟いてるのみたの。

男:ん?どのやつ?

女:なんかほら…粘着とか、男女関係とかどーのこーの…

男:…あぁあれか。

女:あれ私の事かと思って。

男:へ?

女:だって…ほとんど毎日話してるし、こうやってグチグチしちゃうし。だから嫌われたと思って…

男:(深い溜息)お前ね、早とちりしすぎ。

女:へ?

男:あれは違う子の事を言っていたんです。

女:へ?

男:毎回寝ようとしている時にかけてくる子がいるんだよ。ちょっとめんどくさい子でね。

仕方ないから繋げてるんだよ。

女:…え?え?

男:あぁ~だから連絡してこなかったわけね。バカなの?

女:そ、そんなこと言ったって!

男:仮にそのツイートの事がお前だったら俺は直接言ってるでしょ。

こんなめんどくさい事してないし。自分から話せって言ってるんだからさ。

まぁツイッターに吐き出した俺も悪いんだけどね。

女:それなら頼ってもいいじゃん。いつもこっちが愚痴とか暴言とか吐いてるんだから。

そういうときくらい頼ってよ。

男:ん~なんか話すのも面倒というか。

女:でも!私だってあんたの力になりたい。だから言っていいんだよ。

まぁ言いづらいってのはあるかもしれないけど。

男:(少し強めに)いやそうじゃなくて。

女:え?

男:お前さ俺に告白した身でしょうが。振ってるやつにさすがにそういう話するわけにもいかないよね。

しかもお前ならふか~く考えちゃうだろうし。

女:あ。

男:そのくらい俺だって考えるわけなんですよ。

女:あ…あーーーーーーはいはいはい…

男:お前逆の立場ならどうする?言える?

女:…まぁ言えないですねー、はい。

男:でしょ?

女:ん…

男:…

女:…

女:でも、それでも。話せるやつがいないならそうやってツイートするくらいなら

こんな頼りないけど吐け口にはなれるよ。

私はあんたが好きな人だから力になりたいと思うだけ。

男:…そう。

女:あ、だからって恩着せるとかそういうのないからね。あんたがさ私の事どう思ってたっていいのよ。

私が心配で動きたいだけなんだから。だから辛いなら話してほしいな。

男:…そっか。

女:そうなの。

まぁしんみりが嫌ならゲームでもして憂さ晴らしでもするか?

実はさ、ずっとあのゲームクリアできなくてさぁ止まってるんだよねー手伝ってくれない?

男:……はぁ仕方ないね。お前俺がいないとクリアできないわけ?

女:は?んなことないし!ただここだけ!ここのボスが倒せないだけですー。

男:はいはい。うわぁここ速攻クリアしたわぁ。え、ここクリアできなかったの?ないわぁ。

女:うっさい!仕方ないじゃん。あんたみたいに強くないんだから。

男:まぁ俺にかかればこんなの楽勝ですわ。弱いもんね~お前。

女:ムカつく!ほら早く手伝って!

男:はいはい。



男M:やっぱりこいつといるのは楽しい。それとわかってしまった答え。

俺はこいつの事が好きらしい。でも恋愛としてはまだ程遠い。

もし俺の中でちゃんと恋愛として意識が固まったとき、自分から言うだろう。だから今はまだこの関係を楽しもう。



男:ねぇ。

女:えーなに?

男:ありがとね。

女:…え?

男:あぁほら。ぼーっとしていると死んじゃうよ。

女:あ、あんたが急に変な事言うから。

男:変な事って…ひどい。お礼言っただけでしょうに。

どういたしましてとか素直に言えないわけ?

女:いやそうは言ったって…じゃあどういたまして。

男:先生、言葉おかしいです。

女:そこ!うるさいですよ。ちょっとした言葉のまやです。

男:…それ綾って言いたかったの?お前国語とか悪かったでしょ。

女:そんなことないですーこれでも4でしたー。

男:5じゃないってとこがまた微妙…。

女:私の学生生活をバカにするなーー!!

男:いやバカにしてないんだけど。

女:もう!ほんとなんなんだし。

男:やっぱお前といると楽しいってことだよ。

女:え…なにそれ。わけわかんない。

男:とか言いながら絶対にやけてるでしょ。

女:そ、そんなことないですーーー

男:ウソ。

女:ウソじゃないーーー

男:バレバレです。

女:うるさいばか!


女M:結局自分の早とちりだったけど。元気になってよかった。結果オーライてやつかな。

それとなんか雰囲気が柔らかくなった気がする。気のせいだろうか。




男:きょうこのまま寝落ち通話でもする?

女:え…


このふたりが恋愛に発展したかどうかはまた別のお話。

せいとの妄想のなれの果て

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